Feel the ghosts of cinema very alive in Japan !
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映画『キムズビデオ』

Directed by Ashley Sabin & David Redmon
VHSテープ 2025年問題とともに公開!!

8/8金 ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイント ほか全国順次公開

劇場情報 前売り券発売 🐰🐰X(旧Twitter)🐰🐰 🐰🐰Instagramはじめました (^▽^)/
KV

★★日本公開に向けて監督からのコ
            メント★★

私たち(アシュリーとデイヴィッド)は2024年秋に日本に滞在し、この映画を配給するスタッフとミーティングを行ないました。

そのチームは、オフィスにドルビー試写室を作った情熱的なグラフィックデザイナーのさん、一見物静かだが実はアグレッシブな宣伝のさん、風変わりな小作品が大好きな配給会社のさんで構成されていました。

私たちはすぐに、世界中の映画のキュレーションという共通の情熱を分かち合えました。

この配給チームとミーティングした瞬間から、彼らがフィジカルなメディアを愛し、そして同様に愛する観客をこの映画に結びつけてくれると直感しました。

私たちは、東京に映画のゴーストが息づいているのを感じワクワクしています!

公開が待ち遠しいです!

We (Ashley and David) stayed in Japan from August to November 2024 and had a meeting with the distribution staff.  The team consisted of Mr., a passionate graphic designer who created a Dolby screening room in his office,, a distributor who has a love for quirky small films, and Mr., a seemingly quiet but enthusiastic publicist.  We immediately shared a common passion of cinema and curation of movies from around the world.  We knew from the moment we met the team that they will find and connect to audiences who love a physical medium.  We feel the ghosts of cinema very alive in Tokyo!  We can't wait for the upcoming release!

Ashley Sabin & David Redmon


予告映像


~Story~

ニューヨークの映画ファンたちが通い詰めたレンタルビデオショップ「キムズビデオ」。そこは、5万5000本もの貴重かつマニアックな映画の宝庫だった。 時代の変遷で閉店になった2008年、経営者のキム・ヨンマンは、価値ある膨大なコレクションをイタリアのシチリア島にあるサレーミ市に、収蔵・管理、ならびに会員が引き続きそのコレクションにアクセスできる事を条件に譲渡することを決意、コレクションは長旅を終えシチリア島へ到着した。

 しかし数年後に「キムズビデオ」元会員であるデイヴィッド・レッドモン(本映画監督)が現地を訪れると、活用されずホコリだらけの湿った倉庫でひっそりと息を潜める映画たちを発見。彼は倉庫から助けを求める映画たちの“声”にかき立てられ、彼らを救うべく、警察署長や当時の市長への取材、その陰で暗躍するマフィアへと追跡を続ける。

様々な過去の名作映画がデイヴィッドに啓示を与える。そしてついに彼は、映画たちを救うために荒唐無稽な奪還作戦を決意した。

その作戦とはカーニバルの夜に映画の撮影だと偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の“精霊”たちを召喚し、倉庫から映画たちを解放するという前代未聞の計画だった。


~Introduction~

世界最高のレアビデオ・コレクションの数奇な運命を追うドキュメンタリー 『キムズビデオ』
ビデオテープ2025年問題の今年、ついに日本上陸!


1980年代からアメリカ・ニューヨークのイーストビレッジ(ニューヨークのボヘミアと呼ばれ、カウンターカルチャー運動の中心地)に実在したレンタルビデオショップ「キムズビデオ」の55,000本にも上る唯⼀無⼆なレアビデオ・コレクションの⾏⽅を追ったドキュメンタリー映画『キムズビデオ』。

ワールドプレミアとなったサンダンス映画祭では「遊び⼼がハンパない」「常軌を逸したドキュメンタリー」と映画ファンたちから熱狂的な⽀持を受けて⼤きな話題になり、その後トライベッカ映画祭など計61の映画祭で上映され、シッチェス映画祭・ドキュメンタリー部⾨の最優秀作品賞をはじめ、計7つの賞を受賞するなど、⼀昨年から世界中の映画祭を席巻してきた『キムズビデオ』が、ついに⽇本で公開される。

1987年、韓国系移⺠のキム・ヨンマンがニューヨークに開業したキムズビデオは、世界中から収集された膨大でレアな映像作品が取り揃えられていた。⼊⼿ルートも、世界各地の映画祭や各国⼤使館経由など、⼤⼿レンタルビデオショップには真似のできない独⾃のものだった。その世界最⾼のビデオ・コレクションを⽬当てに、シネフィルたちが連⽇通い詰め、会員数は25万⼈に膨れ上がった。その会員の中には、若かりし頃のコーエン兄弟もおり、延滞⾦を600ドル滞納している逸話も本作に登場する。また、トッド・フィリップス(『ジョーカー』シリーズ、『ハングオーバー』シリーズ)や、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)、ショーン・プライス・ウィリアムズ(『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)ら、今や名を馳せる監督たちがキムズビデオの店員として働いていた。さらに、大ヒットした『ロボット・ドリームズ』でもドッグとロボットがキムズビデオでレンタルした『オズの魔法使い』を鑑賞するシーンがあり、この映画の監督であるパブロ・ベルヘルもニューヨークに住んでいた頃、毎日のように通っていたエピソードも存在し、後の映画業界の発展に貢献したと⾔っても過⾔ではない、まさに“映画の理想郷”だった。(※1)

※ソニーピクチャーズUSが発表したダーレン・アロノフスキー監督(「ブラック・スワン」「ザ・ホエール」)の新作「CAUGHT STEALING」(8月29日全米公開/NYが舞台のダークコメディ)の予告編にも キムズビデオの看板が確認できます。(日本公開予定は、今のところ確認できておりません。)

⼀⽅、このコレクションの中には、本来この国では⾒られない海賊版も多く、それがまた会員たちを興奮させていた。その中には、当時ほとんどソフト化されていなかったジャン=リュック・ゴダールの『映画史』をレンタルしていたことで、ゴダールからレンタル差し⽌めの通告が届き、映画の権利元の訴えを受けたFBIに押収されるなど、多くの伝説が語り継がれる“シネフィルの聖地”でもあった。

だが、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008年に惜しまれつつ閉店。キムズビデオの会員だったデイヴィッド・レッドモンが、そのコレクションがその後どうなったのか捜索すると、ニューヨークから遥か遠いイタリア・シチリア島に移設されていることが判明。レッドモンがシチリア島に出向くと、適切な管理、及び会員がアクセスできる事が条件だったはずのコレクションは、劣悪なホコリだらけの湿った所蔵庫で放置されていることが発覚した。そこでレッドモンは掛け替えのないビデオ・コレクションを救い出すことを決意する。アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の“精霊”たちを召喚し、架空の映画撮影を装いながら前代未聞の奪還作戦を決⾏する。(※2)

前半はドキュメンタリーだが、途中からはふたりの監督と映画の“精霊”たちによって、ある種の意図的な創作物語へと発展していく。

映画は56作品の世界のあらゆる映画から映像を引用し、後半の映画の“精霊”たちの出現に説得力を持たせ、未だかつて見たことのないタイプの映画愛と情熱に満ち溢れた傑作となった。

⽇本でもSHIBUYA TSUTAYAが昨年4⽉にリニューアルし、今となってはあの膨⼤な映像コレクションを⾒ることはできない。また、今年「ビデオテープ2025年問題」が起きると囁かれており、映像メディアの価値を再考させる中で、いよいよ公開いたします。(※3)

※1『ロボット・ドリームズ』のエピソードは、日本版公式パンフレットより引用
※2 “精霊”出演の巨匠たち
アルフレッド・ヒッチコック、アニエス・ヴァルダ、ジャン=リュック・ゴダール、チャーリー・チャップリン、マヤ・デレン、クレール・ドニ、ジム・ジャームッシュ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジャッキー・チェン、コーエン兄弟、デイヴィッド・リンチ ほか
※3 ビデオテープ2025年問題とは、VHSテープなどの磁気テープの劣化や再生機器の市場消失・生産終了により、2025年以降に貴重な映像が見られなくなる可能性がある問題。ユネスコ(国連教育科学文化機関)も「マグネティック・テープ・アラート」と題し、2025年までにデジタル化をしないと、映像が失われる可能性があると警告を発しており、大切な映像資産を失わないためにも、映像のデジタル化などの対策が急務となっている。


~Credit~

  • <出演>
  • キム・ヨンマン(主人公)
  • ショーン・プライス・ウィリアムズ(キムズビデオ元従業員)
  • アレックス・ロス・ペリー(キムズビデオ元従業員)
  • ディエゴ・ムラーカ(自治体の警察署長)
  • エンリコ・ティロッタ(キムズビデオの管理人/ミュージシャン)
  • ヴィットリオ・ズカルビ(かつてのサレーミ市長 2008~2012)
  • ジュゼッペ・ジャンマリナーロ(マフィアとの繋がりが疑われる謎の人物)
  • レオパルド・ファルコ(マフィア撲滅委員会 会長)
  • グレン・ハイマン(サレーミ市の提案書草案者)
  • マルコ・ボーヴァ(ジャーナリスト)
  • ドミニコ・ヴェヌーティ(サレーミ市長)
  • アナ・トーンゲイト(キムズビデオ元従業員)
  • ロバート・グリーン(キムズビデオ元従業員)
  • ライアン・クリヴォシー(キムズビデオ元従業員)
  • ロリ・キクタ(キムズビデオ元従業員)
  • イザベル・ギリーズ(キムズビデオ元従業員)
  • エリック・ハインズ(キムズビデオ元従業員)
  • デイヴィッド・ウェイン(キムズビデオ元会員)
  • デニス・ダーモディ(キムズビデオ元会員)
  • クレイトン・パターソン(キムズビデオ元会員)
  • ティム・リーグ(アラモ・ドラフトハウス)
  • ニック・プルーハー(アラモ・ドラフトハウス)
  • <スタッフ>
  • 監督・編集 : アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン
  • 撮影:デイヴィッド・レッドモン
  • 音楽:エンリコ・ティロッタ
  • 録音:デイヴィッド・レッドモン、マチュー・デボルド
  • 共同編集:マーク・ベッカー
  • 音響:アグネス・ライカート、マルセイユ・ミックス・ア・ロット
  • フェアユース弁護士:ナイジェル・アッバス(アッバス メディア ロウ法律事務所、ケイ・マライ、バロン・ハリス、(ハーリー法律事務所)
  • 提供:Carnivalesque Films
  • アメリカ/2023年/英語、韓国語、イタリア語/88分/カラー/5.1ch/16:9
  • © Carnivalesque Films 2023
  • 提供:ミュート、ラビットハウス 配給:ラビットハウス、ミュート

~Column~
+++世界最高のビデオ・コレクションを追え+++

柳下毅一郎(映画評論家)



キムズ・ビデオにはじめて行ったのは1990年代の中頃だったろうか。セント・マークス・プレイスにあったモンド・キムとは、当時ニューヨークの文化的中心だった書店セント・マークス・ブックショップに行ったとき、偶然出会ったのだったか。いや、話はそれとは逆で、モンド・キムとセント・マークス・ブックショップがあればこそ、セント・マークス・プレイスはニューヨークの文化流行の中心となりえたのかもしれない。

 キムズ・ビデオはレンタルビデオ屋だから、旅行者のぼくが真価を味わえたわけではない。だが、無慮数万の在庫の中には大量の海賊版やレアビデオが存在しており、そのダビングだったのか、大手のソフト・ショップでは決して扱わないアンダーグラウンド・シネマや海賊版のVHSも売っていたのだ。大量のVHSやLDを買いこんだ。リチャード・カーンやリディア・ランチの作品をはじめて見たのもここだったか。『クレクレタコラ』が売られていたのは宇川直宏くんが持ちこんだLDが元になっていたのだとかいう話も聞いたことがある。そんなかたちで、キムズ・ビデオは世界映画のアンダーグラウンドな交流の場とさえなっていた。

 2008年、レンタル時代の終わりとともに、キムズ・ビデオは閉店した。5万5000本とも言われる世界最高のレアビデオ・コレクションは……どこにいったのか?

 それは驚くべき探索の物語である。キムズ・ビデオのビデオ・レンタルで映画ファンとして研鑽を積んだデイヴィッド・レッドモンは、そのコレクションがどうなったのかを調べはじめる。その旅ははるか遠くイタリアはシチリア島にまでたどり着くことになる。「まるでスコセッシの映画に迷いこんでしまったようだ」と言われたレッドモンは、「だが、スコセッシ映画といってもいろいろあるぞ」と自問する。「それは『グッドフェローズ』のファミリー・ディナーなのか、それとも『キング・オブ・コメディ』のルパート・パプキンの部屋なのか?」いずれにしてもハッピー・エンドは望めまい。映画の迷宮から抜け出すために、レッドモンたちは「映画の神」たちを召喚しようと試みる。

 映画の冒頭には「このドキュメンタリーにおける、虚構のキャラクターとの類似はすべて偶然によるものです」との警告が出る。レッドモンたちキムズ・ビデオに取り憑かれた映画の使徒たちにとっては、すべては映画であり、すべての登場人物が映画のキャラクターなのである。キムズ・ビデオの遺産をめぐる冒険は、いつしかフィクションの中に入りこむ。それはスコセッシ映画なのか、それともベン・アフレック監督作品なのか? 映画の中で生きるという映画ファンの最高の幸福が実現する。

~中略~

 映画はさらに国境を越え、グローバルな旅の果てについに日本にまでたどり着いた。映画の中に登場する日本産VHSビデオたちにとっても再度の里帰りである。キムズ・ビデオは我々がTSUTAYAで、You&Iで、その他日本の隅々にあった名もなきレンタルビデオ店たちがつむいだ物語とつながっている。かつてビデオ屋の片隅にあった手書きジャケットやコピージャケットの怪しいビデオそれぞれに物語があったことをこの映画は思い出させてくれる。その物語同士は絡みあい、ついには大河に至るのだ。

キムズ・ビデオをめぐる冒険は決して他人事ではない。この映画を見たとき、最初に思いだしたのがTSUTAYA渋谷店が抱えていたレアものVHSビデオ・コレクションのことである。TSUTAYA渋谷店閉鎖後、あのビデオ・コレクションはどこへ行ってしまったのか。もちろんキムズ・ビデオの無慮数万のコレクションとは比べるすべもない。だが、それもまた世界にふたつとない独自のコレクションであったのだ。あのレア・ビデオの山がどんな運命をたどってどこへ行ったのか、それもまた解明されなければならない。その責任はぼくらにある。あるいは、『キムズビデオ』を上回る数奇な物語と、素晴らしき奇跡が待っているかもしれないではないか。

≪公式パンフレットに全文掲載いたします≫


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